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コンプレックスの先にある、自分の本当の強み

何かと話題にあがる考え方、コンプレックス(弱み)と強み。

僕もそうなのだが、例えば『自分の強みを10個上げて下さい』と聞かれ、明確に的確に多数の“自分の強み”の回答を返せる人は意外と少ない。

だが逆に『自分のコンプレックス(弱み)を10個上げて下さい』と聞くと、みんななぜかコンプレックス(弱み)だけは分かる。

理由は簡単だ。

“強みはコンプレックスの先にしかない” からなのだ。

何が言いたいのか、コンプレックス(弱み)を持つ人が、悪いと言っているのだはなく、コンプレックスは僕を含めた皆さんをさらに上のステージに導いてくれるヒントという事。

今回は僕たちの持つ、ネガティブな性格やマイナスな面を、どの様に読み替え、自分の力に変えて行けばよいかの話。

 

 

欠点の表裏

実際に何かで成功している、成功者と呼ばれる人は強烈なコンプレックスと持っている事も多い。

コンプレックスや欠点は、実は利点と表裏一体となっている。

よく自己啓発セミナーや本で見聞きするものでは、「欠点を補うもしくは無くす」か「欠点を強みに変える」の2つの戦略が考えられる。

だが、上手くいっている人は基本的にはこの欠点を強みに変えるや補うではなく、欠点の表裏一体の部分をそのまま使っている人が多い。

出来る人や天才は圧倒的に何かが欠けていると思われる事が多々ある。

“頭がおかしいと思われる様なこだわり”がある人であったり、神経症であったり。

 

 

例えば、時間を守れないと言う人がいるとする。

時間が守れる人と守れない人であれば、どう考えても“時間を守れる人”の方がメリットが大きいと普通は思う。

だが、実際に研究で調べてみると、時間が守れない=クリエイティブに繋がる側面が分かっている。

実際に時間が守れる人と時間が守れない人に、自分からは見えない状態でタイマーを持たせ「1分経ったらタイマーを止める」と言うテストが行われた。

時間を守れる人は大方1分前後、数秒のずれでタイマー止める事が出来る。

ところが、時間が守れない人にタイマーを持たせると、平均して78秒で止めるのである。

時間が守れる人と時間が守れない人では、1分を33%も見誤っているのだ。

では、なぜ時間が守れない人は見誤るのか?

時間が守れない人はこの短時間の間に色んな所に注意が拡散してしまい、時間をカウントしているはずが途中で違う事を考えてしまう。

結果、慌てて止めると時間をオーバーしている。

 

これを“ただ時間を守る”とだけ考えれば、当然ながら時間が守れる人の方が有利だ。

だが、クリエイティブな事を考える時には守れない人の方が、はるかに有利になって来る。

 

コンプレックスの使い道を知る

『自分の欠点を強みに変える方法』と言う論文がある。

WOOPの法則で有名なガブリエル・エッティンゲン教授が行った実験で、被験者に性格テストを行い、全員の正確を調べた。

この実験では特に“衝動性”について調べた。

衝動性とは
悪い結果になってしまうかもしれない行動を、あまり深く考えずに行ってしまう、自分の感情や衝動を抑えられない行動特性。
例えば、「物事にカッとなってしまう」「断食中であるにも関わらずつい物を食べてしまう」「既婚者であるにも関わらず魅力的な女性に手を出してしまう」などの行動が衝動性。

 

 

衝動性が高い事は、冷静にどう考えても社会生活を営む上では不向きだ。

セルフコントロール能力が高い人の方が社会的に上手く行きやすいし、結婚生活や恋愛も上手く行くと科学的に解明されている中で、衝動性ってマイナスの側面しかないのでは?とみんなが思う。

 

このマイナスの面をエッティンゲン教授が取り上げ、性格テストを行ったのだ。

テストは以下の様な形で行われた。

性格テストで衝動性が高いと言う結果がでた被験者を集め、2つのグループに分けた。

1つのグループには「衝動的な人は創造性が高いと言うデータがあるのですよ」と教えたグループ。

もう片方のグループには「衝動的と創造性は何の相関もないのですよ」と教えたグループ。

要するに衝動性のメリットが分かったグループと分かっていないグループに分けたのだ。

そして「創造性テスト」(例えば、レンガの使い方を100個考えて下さいやペットボトルの別の用途の使い方を出来るだけ多く考えて下さいの様に、物の新しい使い道を考える様なテスト)を行った。

結果は「創造性が高いデータある」と告げたグループの方が、本当にクリエイティビティを発揮し、沢山の物の新しい使い道を思いつく事ができたのだ。

一方で「何の相関もないのですよ」と告げられたグループは本来、衝動性が高いにも関わらずクリエイティビティが発揮されなかったのだ。

ここで大事なポイントは、自分のコンプレックスの“使い道が分かる”と言う事である。

よく、「思い込みで上手くいくのね」と言う人がいるが、そうでは無い。

“俺は出来る”と思っても出来る様にはならない。

つまり、クリエイティビティを発揮できたグループは、“衝動性と創造性が表裏一体だと分かったから、自分が持つ衝動性の使い道が分かり、結果として衝動性のメリットである創造性を引き出す事が出来た”のだ。

僕たちは「弱み」と「強み」を分けて考えるが、これらは表裏一体なのだ。

その為、自分の“強み”が沢山あると言う人はその裏に“弱み”も沢山あるので気を付けなければいけないし、逆に“コンプレックスや弱み”が沢山ある人はそれを裏返した“強み”も沢山有るはずなのだ。

 

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具体的読み替えの例

 

とは言え、「自分のコンプレックスが思う事の裏のメリットの見つけ方なんて分からない」と思われる人も沢山いると思う。
なので、具体的にネガティブな性格や欠点のメリットの見つけ方の例をご紹介しようと思う。

「怒りっぽい」

裏を返せば勇気を出しやすい。人に怒りをぶつけるのはとても勇気がある行動だ。

その意味で言えば、怒りやすいと言うのは自分が勇気を出しやすい、行動しやすい性格なんだと言う様に読み替えられる。

「恐がり」

綿密な計画を立て準備を怠らない。

恐がりな人は怖いが故に沢山の準備をする。また沢山確認するなど綿密な面もある。

「悲観的」

現実的に物事をみる能力がある。
悲観的な人と楽間的な人を比べると、悲観的な人の方が明らかに現実に即した予測を立てる。楽間的な人の中にはバイアスがかかり過ぎていて、失敗しているのにも関わらず上手く行っている考えてる事が結構あるのだ。

「不安症」

集中力が高い。

不安になりやすい人は集中力や警戒心が高くなる事が分かっている。

「落ち込みやすい」

注意力が高い。

落ち込むと言う事は特定のネガティブな要素にフォーカスが向いてしまい落ち込んでいる。

裏を返せば、他の人が気付かない様なネガティブな要素に早めに気付いて、対策ができる。

 

この様に裏のメリットを見つけ、物は言いよう位のレベルでも構わないので読み替え、活かして行くことがポイント。

最後にもう一度だけ伝えたい事が、コンプレックスのその先にこそ、自分が “やるべき事” “得意な事” “求める人生” があるのだ。

 

 

本日もあなたの時間を投資していただきありがとうございました。

 

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