厚労省が公開した「平成29年簡易生命表」によれば、日本人の平均寿命は男性は「81.09歳」、女性は「87.26歳」となっている。
男女の平均をとり、平均寿命を84歳だとして考えてみると73万5840時間になり、大雑把に言うと人生は平均寿命まで生きて、約70万時間しかない。
現在は高齢者もお元気なので、実際はもう少し高年齢まで含めれるかもしれないが、仮として“人生を全速力で走る事が可能な時間”として以下の条件で絞るとする。
サラリーマンの定年退職である65歳から、高校または大学を卒業する基本的な年齢である18年または22年を引く。
更に1日の平均睡眠時間を7時間とし、それを稼働しない時間と考え差し引き、比較しやすい様に数字で表す。
・高卒:291,165時間 ・大卒:266,815時間
同様に1年の時間を先の1日の平均睡眠時間7時間で考え差し引き、数字で表す。
・1年:6205時間 ・5年:31,025時間 ・10年:62,050時間 ・20年:124,100時間
人生の所有時間と有効時間

皆さんは自分の人生の所有時間について考えた事はあるだろうか?
何となく、平均寿命の感覚値である、80歳を基準に、悪くても60歳位までは生きれて。。。
みたいな“モヤっ”とした感覚で人生の所有年数でとらえていませんか?
さらに先に書いた人生の所有時間を見ても、まだ“モヤっ”とした感覚のままの方も多いと思います。
時間でとらえてもそうなのに、これを年でとらえてしまうと、更に漠然とした時間になってしまっているかと思います。
ここまではあくまで、自分一人の人生を基準に所有時間を考えてみました。
ここから、さらに実感値を上げる為に、人間の幸せにとって欠かせない、他人と時間を含めて考えてみます。
皆さんは結婚したいですか?または結婚してますか?
仮に25歳で結婚し、最後まで添い遂げ、どちらかが80歳で亡くなったとします。
55年間を共に生きる。とても長い時間に感じます。
最初に書いた睡眠時間を含めない所有時間と言う思考で考えれば481,800時間の共有時間となります。
この場合に所有時間を数字にすると一気に短くなった様に感じませんか?
更に先ほどの“全力で走れる時間”の概念で考えると、40年間、248,200時間(1日の有効時間17時間で考えた場合)になります。
逆に、この248,200時間を24時間で考え、年数として表すと約28年。
つまり、平均寿命を基準に、25歳で結婚し、体調のリスクも比較的少ないであろう65歳までを“人生を全速力で走る事が可能な時間”として考え、1日7時間の睡眠時間で全力疾走できる夫婦の共有時間はたった約28年しかないのです。
あくまで65歳までの“人生を全速力で走る事が可能な時間”なので、ばらつきはあるとしても後は15年は人生の余暇の時間を楽しむことになってきます。
そして、さらに子供を授かり、夫婦から家族への時間へと変化した場合はさらに、家族として共有する“人生を全速力で走る事が可能な時間”は短いものとなります。
別れ

なぜ僕がこの記事を書こうと思ったかと言うと、幼馴染みが先日、クモ膜下出血に倒れ、亡くなった。
わずか38年の人生である。
そして、体の不調を訴えてからわずか4時間で、彼の人生は日常から非日常へ変化したのだ。
彼には奥さんの他に高校生、中学生、一番下はまだ11歳で小学生の3人の子どもがいる。
彼自身自分の人生がこんなに短いものだとは思ってもいなかっただろう。そして無念と言う感情を抱く時間がない位の突然の別れだった。
彼とは僕たちが中学生の頃から成人を過ぎても、お互いに結婚しパートナーや家族を生活を中心とした生活にシフトするまで、本当に毎晩の様に仕事が終わると集まり、何をするでもないが、遊んでいた間柄だ。
彼が奥さんと出会って17年、1日にちのほとんどを職場で過ごし、その中でも、パートナーとの時間を大切にし、3人の子ども達にも恵まれた。
だが、夫婦や家族で過ごせた時間は本当に儚いほどの時間だった。
だが、それは僕も含めたみんなに起こり得ることだ。
僕たちは長期的・短期的含め、行く先が決まっていない時に、1日を1時間を無意識を生きがちだ。
何となく平均寿命で自分の人生は何十歳までにこれをなどと “モヤっ” とした計画を立てているかもしれないが、もしかすると平均寿命以下の寿命しか与えられていないかもしれない。
だからこそ、僕たちはこの約70万時間を基本的な最大値とする人生の時間を、ただ無意識に水道の水が流れるがごとく使っていてはいけないだと思う。
そんな時は自分一人の人生の所有時間で考えるのではなく、大切なパートナーや家族との時間を意識して、有限の時間をどう生きれるかで人生は決まるのだと思う。
本日もあなたの時間を投資していただきありがとうございました。