心理学・科学

効き過ぎてヤバい15の行動心理学

僕たち人間の行動や仕草には意味があるといわれる。

だが、普段の生活において『この仕草をしたから、こんな感情を抱いている』などと意識する事は無い。

しかし、長年にわたる多くの研究によって科学的な分析がなされ、『人がどういった心境のときにどんな行動をするか、身体はどう反応するか』といった心と行動・身体のメカニズムが、徐々に判明してきている。

この心のメカニズムを科学的に解明していくのが『心理学』だ。

心理学は目に見えない、潜在意識に作用するものが大半を占める。

なので『心理学』と聞くと人によっては、少し固いイメージであったり、科学的根拠のないスピリチャルなものと混在されて胡散臭いと感じる人もいるかも知れない。

だが、実際に科学的根拠が有る人の行動心理を知る事は、人を知る事に直結する。

要するに僕たちは“人を知る”事で、“自分を知る”事が出来るのだ。

自分を知る中に、幸せになるための考え方や成功の秘訣、コミュニケーションのコツなど、身近な問題解決のヒントがたくさん隠されている。

このブログにおいても心理学や科学を用いた話を、記事にする事がよく有る。

その理由は再現性の無い個人的主観ではなく、科学的根拠のある客観性を用いて、皆さんに使える再現性のある学びを求めているからだ。

今回はその意味でも、行動心理学の中でも知っておきたい『15の行動心理学』をご紹介したいと思います。

 

 

アンカリング効果

最初に提示された条件や数字が脳にすり込まれ、それが基準となることで意思決定をしてしまう心理効果。

第2回 あなたの「お買い得感」は操られている? 「アンカリング効果」通常価格70,000円のところ、商品入れ替えのため 50%OFF 35,000円

家電量販店などに行くと、必ずこの様なプライスタグが目に入る場所に赤字で設置されているのを見る。

この価格表示では、値引き後の価格とは別に値引き前の価格が、アンカリング効果として影響する。

別の買い物の目的で店舗ににも関わらず、もし炊飯器コーナーの前でこのような表示を見た場合には、

「おっ、これは結構お買い得だな」

「旧モデルとは言え7万円の商品を半額なら、無くなる前に手に入れないと」

などという心理を押し、意思決定につなげる心理効果として使われている。

 

因みにもし購入者が事前に十分に市場価格について調べてある場合には、アンカリング効果の影響はあまりうけない。

なぜなら、事前に適正価格の情報を持っているので、アンカリング効果の認知バイアスが機能しない。

 

カクテルパーティー効果

大勢の人が集まる騒がしい場所でも、自分の名前を呼ぶ声や、自分が興味のある言葉などには自然と意識を集中させてしまう現象。

凄く騒がしい場所や会話の最中でも、別の相手から自分の名前を呼ばれると反応できてしまう。

電車に乗っている時に、自分が降りる駅の車内アナウンスだけは、騒音の中でも不思議と聞き取れたりする。

購入を考えている欲しい車があり、町中でその車だけがやたら目にとまる。

人間の脳というのは情報処理の効率化を図るために、「自分にとって必要な注意や関心を向けている情報を優先的に処理し、その他の情報はその間シャットアウトする」という機能を発揮する。

つまり、無意識に情報を取捨選択する、脳の「選択的注意」という機能が働いている。

 

カリギュラ効果

人はダメと言われたり禁止されたりすると余計にしたくなったり、興味が湧いてくる心理。

この話は絶対人に言わないでね!

決して見ないでください。

ダチョウ倶楽部さんの『押すなよ! 押すなよ!』や日本昔話の『鶴の恩返し』『浦島太郎』、また雑誌の袋とじなども『カリギュラ効果』だ。

人間は基本的に、自分の意志や自分の感情で、自由に選択したいと思っている。

それを何かしらの要因で禁止されたりすると、それはストレスとなり自由にしたいと言う心理が働く。

結果、このストレスから強い反発が生まれ、禁止されたことをやりたくなってしまう。

 

希少性の法則

人は、いつでも、どこでも手に入るものは価値が低く、数が少ないものは価値が高いと考える心理

一日3組様のみ限定ご宿泊料金

生産台数、世界限定100台

本日限り、売り切れご免

「今、決断しないと無くなってしまう」、「この機会を逃せば二度と手に入らない」、「数が少ないなら高額でも当たり前」など、供給される数が少ない事に、相当の理由と希少価値があると考え、その希少価値に対して購入と言う消費行動が取られる。

 

権威への服従

人は「権威」に弱く、権威者や専門家の言う事はほぼ無条件に信じ込んでしまうという特性。その作用を「ミルグラム効果」とも呼ぶ。

この心理効果は全く意識していない段階で、まさしく潜在的に作用しているもの。

元内閣総理大臣○○も絶賛…。

日本最高峰の東大病院に勤務する○○医師による…。

ハーバード大学○○教授の研究結果…。

というような前置きがあると、多くの人は盲目的にその内容を信じ込んでしまう傾向がある。
結果、本来ならまず行わないような行為、これまでの認識を覆す論理などにおいても簡単に説得され、従ってしまうという心理効果。

また、商品やサービスに権威をかけることで信用が移転し、バイラル(口コミ)がかかるようになる。

 

ザイオンス効果

別名「単純接触効果」とも呼ばれ、何度も繰り返して接触することにより、好感度や評価等が高まっていくという心理効果。

人間関係においては「熟知性の原則」と呼ばれ、会えば会うたびに、知れば知るほどに好意を持つといった心理効果がある。

最初は興味がなかったり、あまり好きではなかったりするものや人物でも、頻繁に目に触れる事で、その対象への警戒心や恐怖心が薄れ、良い印象を持つようになるといわれている。

また、接触する時間は短くても、回数を重ねれることで、十分に効果が現れるといった特徴をもっていることが、分かってい流。

 

社会的証明の原理

人は確信が持てず、状況が曖昧な場合、他人の行動を基準に物事を判断するという心理

販売数累計〇万部突破!

WEBサイトなどで見かける口コミ評価

店頭にできる長い行列

人は、どう行動すればよいのか確信を持てないときほど、他人の行動を参考にして自分の行動を決めようとする。

これは人間の習性であり、確信が持てない曖昧な状況下で、自分だけ他人と違う行動を取る事に不安を感じるという心理が働く。

 

ディドロ効果

従来とは違う理想的な価値を手に入れたときに、新しい価値にすべてを統一させたいという購買行動心理。

洋服・小物・アクセサリー・人脈

家具・インテリア

ゲームのアバターやアイテム

ブランド品の財布を買ったら、カバンやキーケースまで欲しくなる。

4K対応のテレビを買ったら、ブルーレイレコーダーやスピーカーシステムまで欲しくなる。

ランニングの為にシューズを買ったら、ウェアやスポーツ用ヘッドホンやスマホ用ポーチまで欲しくなる。

つまり、自分が理想的とする物や、高級だと思う物が手に入った時に、自分の身の回り、所持品、行動など取り巻くものを、その理想的とする物や高級だと思う物に合わせてそろえようとする心理が働く。

 

同調現象

周囲と同じ行動をしていると安心し、自分が望んでいたり正しいと思うことでも、周囲と違えば不安になってしまう心理

50代以上の主婦の9割が使用中

人は、集団行動を重んじて来たために、周りと変わっていたりすると不安を感じやすい。

特に日本人は空気を読むことを第一に考える人が多いため、同調現象の傾向が強い。

 

バーナム効果

誰にでも当てはまるような曖昧で一般的なことを、あたかも自分に当てはまる(当たってる!)と捉えてしまう心理効果

お腹の脂肪に悩まれてきた人必見!

星座占い・血液型占いなど

夢を持っているあなたへ提案!

占い師などが良く活用する心理効果で、多くの人に当てはまる特徴を、さもその本人にだけ当てはまるかのようにいうことで権威性を生み出す心理効果。

ハロー効果

ある対象を評価する際に目立つ特徴が与える印象によって評価が変わってしまう(歪めてしまう)現象

スーツがビシッと決まっているから仕事ができそう。

年収が高いから有能な人。

東大出身だから仕事ができる人に違いない。

ハロー効果とは、第一印象がその後の評価にも影響を与えるという人間の自然な反応を応用した心理効果。

人は初めに感じた印象で不足している相手の人物像を勝手に想像してしまう。

逆に言えば、初対面で相手に与える印象を意識的に操作することができれば、その後の交渉や人間関係を有利に進めることができる。

 

バンドワゴン効果

サービスを購入・利用する人が多ければ多いほど、一人ひとりの顧客の満足度や安心感が高まっていく心理的現象

売上No.1

満足度No.1

ダウンロード数No.1

わかりやすく言うと「勝ち馬に乗りたい」という心理。

人は似たようなサービスを購入しようと考えた場合、流行っていそうなものを選ぶと言う心理行動。

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フロー理論

内発的に動機づけられた自己の没入感覚を伴う楽しい経験を通してより複雑な能力や技能を持った人間へと成長していく過程を理論化した人間発達のモデルであり、モチベーションの理論

フロー状態に入る7条件

1.時間の経過と共に自分が何をしたいのか分かってる
2.ただちにフィードバックが得られる
3.何をする必要があるか分かっている
4.それが難しくても可能なことである
5.時間の感覚が消失する
6.自分自身のことを忘れてしまう
7.自分はもっと大きな何かの一部であると感じる

フローとは、内発的に動機づけられた自己の没入感覚を伴う楽しい経験を指し、フロー状態にあるとき、人は高いレベルの集中力を示し、楽しさ、満足感、状況のコントロール感、自尊感情の高まりなどを経験する。また、これまでのフロー研究では、フロー経験と主観的幸福感、生産的活動への参加意欲、学習意欲、創造性などとの間に密接な関係がある。

 

返報性の原理

人に何かをしてもらったら、お返しをしないと申し訳ない気持ちになる心理作用

人は恩を受けたら、恩を返したくなる、自分だけが恩を受けた状態は、気持ち悪い気がするのだ。

逆に仇を受けたら、仇を返したくなるのも返報性が働いている。

返報性の原理の種類

好意の返報性
あなたが好意を持って接すれば、相手もあなたに好意を持って接してくれます。

敵意の返報性
あなたが敵意を持って接すれば、相手もあなたに敵意を持って接してきます。

譲歩の返報性
あなたが相手に対して譲歩すると、相手もあなたに対して譲歩してくれるようになります。

自己開示の返報性
あなたが相手に対して隠し事なくオープンに接する自己開示を行えば、相手もあなたに対してオープンに接してくれるようになります。

返報性の原理とは、「受けた恩は返したい」という、社会生活の中で培われた本能的な心理作用で与えた好意が特別であるほど、受けた側は感謝の度合いが大きくなる。

 

保有効果

保有効果とは自分が現在所有するものに高い価値を感じ、それを手放すことに強い抵抗を感じてしまう心理効果。授かり効果とも呼ばれる。

一番わかりやすい使われ方が品質保証。

返品保証のある商品を購入して手に入れてしまうと保有効果によって商品価値が上昇してしまう。

また、商品に大きな不満が無ければ到着前には「少しでも気に入らなければ返品しよう」と思っていたとしても、「返品の手続きが面倒」という現状維持のバイアスが働きやすくなる。

結果、お試しで購入した客の多くが返品せずに保有し続ける。

 

メールやハガキなどでの「おめでとうございます。当選しました!」や「来場プレゼント実施中」なども保有効果を狙って行われている。

感覚的には既に自分のものとなっており、自分のものを失う感覚になり無視することが難しくなる。

 

 

僕たちは生活の中で人がもつあらゆる心理に影響を受けている。

外食産業の看板にはなぜ赤色が多く使われているのか

世界中の信号機がなぜ赤・黄・青で統一されているのか

買い物は好きなのになぜ売り込まれるのは嫌いなのか

自分と共通点が見つかるとなぜ人は親近感を抱くのか

行動心理学は、人間のさまざまな言動やしぐさを、理解していくものだ。

無意識のうちに出てくる自分や他者の言動やしぐさは、行動心理学を知っていれば、本心を読み解くヒントを科学的根拠に基づいたヒントとなる。

何かの目的に対し、具体的行動を思考する際の手段としても行動心理学を学ぶ事により、再現性の高い目標達成へのアプローチを増やすものになるものだと思います。

 

 

本日もあなたの時間を投資していただきありがとうございました。

 

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